薬膳のこと


薬膳は先人の経験に基づいた、生活の中にある予防医学です。


その由来は中国皇帝の健康管理をする「食医」によるもので、食医とは食事管理専門の医師であり、医師の中でも最高位だったという記録があります。おかあさんのように、心身のいちばんの理解者である「食医」を傍に置くことで病気を予防し、健康を保ち、志を支えるために、食事管理が最重要という考えが根付いていたことがうかがえます。

 

「薬食同源(医食同源)」の言葉のとおり、食事も薬も根源は同じという意味があるように、このような先人の知恵を教え伝えていくことに食育の最重要課題が見られます。食べ物を捨てるところなく丸ごと食す「一物全体食」、その土地で取れたものがカラダを養ってくれる「身土不二」、旬の食材も病気予防には欠かせません。

 

病気になってから治療するのは、のどが渇いてから井戸を掘るようなもの。と言います。病気になる前に予防することは、先を見通すチカラです。食医が遺した食事での健康管理法をいつもの食事に取りいれるだけ。

それだけで、わたしたちは幸せな人生が得られるのです。

薬膳には「予防」と「治療」の2つの目的があります。


予防をするということは「養生」をすること。つまり「食事で、人生を育てる」ことです。不調は、季節との「不調和」からくると考えます。冬の寒い日にカラダを冷やす「寒性」のものを食べるとカラダは冷え、血流が悪くなり風邪を引きやすい状態になります。夏の暑い日に「熱性」のものを食べると熱がこもり、炎症を起こしやすくなります。

 

しかし、薬膳では食べてはいけない食品はありません。

「食べあわせ」を考慮して摂取することで不調を予防することができます。

 

また、治療には病気の原因を探ることが大切です。きのう健康だった人が、今日は病気になる。ということは不自然で、健康と病気の間の状態「未病」があると考えます。

 

未病は、カラダが発するSOSによって分かります。その信号をいち早く見つけることで、食事で足りないものを補い、不要なものを排出させてバランスを整えると、心身は健康だった頃の元の姿に戻ります。カラダの機能が元に戻ると、代謝が整い、自然治癒力が高まり、気持ちも元気になって食べることがおいしく、生きることが楽しく、キラキラと輝いた日々を送ることができることでしょう。